「とぉーさーん」
たったたったと走ってくる子供が二人。しかし、すぐ後ろで走っていた子供は奇麗に頭からころぶ。
「あっ!威!!だいじょぶか!?」
曹操の両脇を夏侯惇と一緒におさえていた淵はぎょっとした顔で近付いていく。
「威!!なくなよぉ」
今にも泣き出しそうな弟を抱え込みながら頭をなでる覇に三人は微笑ましいものを感じていた。
「あに・・・うぇ・・・・」
「ほおら。いたいのいたいのとーさんにとんでけぇ!」
「おいおいおいおい息子よ。父に飛ばしちゃいかんだろ。そりゃ」
「え?じゃぁ、にいさんにとんでけぇ!!」
これには流石に夏侯惇も曹操もびっくりである。将来大物になりそうな覇を曹操は高らかに笑った。
「そうだ、とぉさん。きょうにいさんにかけっこでかったんだよ」
「そぉかそぉか。じゃぁ、息子よ。今度は泳げるようにならなきゃな」
「え!!?むりだよぉ。それにおよげなくたってこまらないもん」
「そんなことを言っては河は渡れんぞ。覇よ」
そういって淵に抱かれた覇と威の頭をなでる夏侯惇。
「そうだな、覇。それじゃないと戦に出れないぞ」
曹操までがまだ小さな覇を微笑ましく見ていた。
「えぇ・・・・・じゃぁおれ、いくさにいかない!」
・・・・・・・それには一同驚愕の表情を隠せない。
「おいおいおいおい、息子よ。そりゃだめだ。お前、勉強できないだろ」
「え?おやさいつくるもん」
「農民になるってか!?」
「まってて、とうさん!おれ、すごいうまいおやさいつくれるおとこになる!!」
鼻息を荒くする覇にたしょうあきれ顔な三人の大人はともかく弟はなにやら尊敬のまなざしである。
「ま、一応俺の息子なんだから、武芸は怠るなよ、息子」
無理だろ。親子で腐向けって。てかしたら色々やばいから。かけないし・・・・・
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